食物繊維のチカラ
食物繊維が不足する日本人
健康を維持、増進し、生活習慣病を予防するため、食事からエネルギーや栄養をどれくらいの量取ればいいのかを示しているのが「日本人の食事摂取基準」です。食物繊維については、摂取量が不足すると生活習慣病を発症したり、死亡率にも関わってくることが分かっています。理想的な目標量は、成人では1日あたり24g以上と考えられていますが、現在の日本人の摂取量では足りていません。
「国民健康・栄養調査 令和元年」によると、平均で1日当たり18g。どの年齢階級でも目標を下回っています。「日本人の食事摂取基準」ではやや低めの設定となり、成人男性18~64歳で1日当たり21g以上、65歳以上では同20g以上。成人女性では18~64歳は18g以上、65歳以上は同17g以上となっています。
食の欧米化が原因。意識して接種を
1950年ごろには1日当たり20gをこえていましたが、なぜ減少したのでしょうか。食の欧米化に伴い、肉類や乳製品の摂取量が増えた一方、米や雑穀、豆類、イモ類などの摂取量が減ったことが原因として考えられます。適度な欧米化は、伝統的な食事で不足しがちな栄養を補い、平均寿命が伸びるなど恩恵もありますが、現代では栄養の偏りが問題になってなってきています。
通常の食事では過剰摂取の心配はなく、むしろ意識して食物繊維を摂取する必要があります。サプリメントなどを利用する際はのみすぎるとおなかが緩くなったり、他の栄養素の吸収を妨げたりする可能性があるため、注意が必要です。
ついつい主菜のお肉や魚などの動物性たんぱく質をたっぷり取ってしまい、副菜のおかずやご飯の量が少なくなりがちで、一汁三菜のバランスが取りにくい人は、主菜の量を減らしてみることも重要です。
2021年08月27日 14:22