毛細血管・・・老化を防ぎ健康に
毛細血管の重要性
近年、機器の発達で、毛細血管を直接、目で見ることができるようになり、様々なことが分かってきました。毛細血管は、すべての血管ののうち、99%近くを占めています。この毛細血管をつなげると約10万キロメートル、地球2周半分にもなると言われています。毛細血管は、体の隅々まで栄養を送るために張り巡らされていますから、健康を保つ上で非常に重要な役割を果たしているのです。
毛細血管のゴースト化
脳梗塞や心筋梗塞といった病気は、太い血管が傷つくことで発生するとされていますが、その前兆として、毛細血管が痛んでいることが分かっています。
しかし、毛細血管がダメージを受けても、症状には出にくいので気が付かないことが多いのです。40代頃から新陳代謝の衰えとともに、毛細血管が役割をはたさなくなる「ゴースト化」という状態が増えてきます。
毛細血管がゴースト化すると、血液が流れにくくなり、栄養分を運べなくなるので、シミやシワなど見た目の老化や、免疫機能の低下、骨折や骨粗しょう症になる危険、認知症になるリスクも高まります。
「第2の心臓」ふくらはぎを鍛える
60、70代の人は、20代と比べておよそ4割の毛細血管がゴースト化していると言われています。症状のあるなしにかかわらず、血管を若々しく保ち、健康寿命を延ばしましょう。
毛細血管を鍛えるのに効果的なのは有酸素運動です。特に「第2の心臓」とも呼ばれる、ふくらはぎは血液を全身に送るポンプ機能を果たしているので、しっかりと鍛えます。
お勧めなのが「かかとの上げ下げ」と「片足立ち」です。どちらも1分程度を目安にします。歯磨きしながら、テレビを見ながらなど、「ながら運動」にすると、長続きさせることができます。
適度な睡眠、1日3度の食事、リラックスタイム
生活習慣や食事を見直すことも大事です。適度な睡眠や1日3度の食事、1日の中でリラックスタイムをつくることを心がけましょう。私たちは生活の中で、知らず知らずのうちに、ストレスや負荷が体に掛かっています。湯船にゆっくりとつかったり、適度にお酒を飲んだりして、体への“ご褒美”をつくるようにしてください。
食事には、シナモンやルイボスティーなどを取り入れてみましょう。代謝を高め、血管を健康に保ってくれます。
反対に、炭水化物の取りすぎには気を付けてください。エネルギーを必要とする朝は、しっかりと炭水化物を取って、夜はなるべく控えるようにしましょう。炭水化物を取りすぎると内臓脂肪がたまり、血管を傷つける物質が分泌されるようになるので注意してください。
毛細血管の健康には、規則正しい生活を送るとともに、人と会ってしゃべったり、笑ったりして血圧を安定させることが必要です。コロナ禍で、人と話す機会が減っているかと思いますが、家族と話す時間を増やすなど、いろいろと工夫してみましょう。